「楽天に割り当てるプラチナバンドは残っていない」は事実誤認――地上デジタル放送枠を整理すれば「バンド71」というお宝が

どう考えてもおかしな話であるとは思ったものの、調べてみるとまた例の「アレ」がしょうもないこと言うてるわけであるが。

「楽天に割り当てるプラチナバンドは残っていない」は事実誤認――地上デジタル放送枠を整理すれば「バンド71」というお宝が:石川温のスマホ業界新聞 – ITmedia Mobile

果たして、今の楽天にバンド71の帯域に相当する部分で放送をおこなっている局を立ち退かせた上で設備投資を行うための費用を負担できるのだろうか、どう考えても無茶であろう。

そのバンド71は617MHzから698MHzの帯域を使用し、それは日本のテレビ放送の37から51チャンネルに相当するわけであるが、そのあたりの周波数を使っている放送局は結構多い

仮に送信所の集約による中継局数の削減やSFNの活用を前提とした周波数の再編を行う際に送信出力の増減力や送信所そのものの移転もしくは新規開設となればその費用は莫大なものになる可能性は高いわけであり、そのSFNに関しても条件を満たさない限りは利用できないことからそれをあてにしたところで利用できなければ結局何も変わらないのではないか。

他にもブラジル方式のように映像をより圧縮率の高いAVCやその後継規格であるHEVCで圧縮すれば帯域のさらなる圧縮も不可能ではないと考えられるが、仮にそれを実施するとなると我が国に存在するMPEG-2にのみ対応する既存受信機の取り扱いをどうするかという問題が発生し「地デジ化」の二の舞となるのは目に見えている。

その上、「地デジ化」の頃と比較して動画コンテンツやその提供形態、通信回線に関する状況が大きく変貌した今日において、単に帯域が圧縮されるだけで画質やコンテンツそのものが変わるわけではないものの受像機の買い替えや受信機の買い増しを視聴者に求めれば「テレビ離れ」が相当進んでいくのではないかと考えると、どう考えても放送局側にとっても視聴者にとっても何らメリットはない以上、反対されるか楽天側に全ての費用負担を求められるのは当然であろう。

元々この問題は総務省がUQコミュニケーションズによるUQモバイルやソフトバンクによるワイモバイルのような「MNOによるMVNO」に関する規則を明文化せず、急にそれを問題視したことから、おそらくそれを当てにして事業計画を行なっていた楽天が割をくった形となったわけであり、本来であれば総務省がある程度の責任を負うべきであると考えるのであれば、同じく「買収によって得られた帯域の取り扱い」に伴う規則を明文化せず、それを問題視した総務省はソフトバンクに対して同社が半ば強引に奪い取る形で割り当てを受けたバンド8か、元々「イーモバイル」という他社に割り当てられていた周波数であるバンド28の返納を要求し、返納された帯域を楽天に対して再割り当てするべきなのではないだろうか。

ソフトバンク側もかつて楽天と同じように総務省や800MHz帯の割り当てを受けているNTTドコモ、KDDIに対して同じような要求を行っていたことから、前述のバンド8もしくは28を譲渡するくらいのことを行うべきなのではないか。もちろんそれらの帯域で利用されていた業務局の立ち退きに関わる費用の相当額に関しては楽天に請求しても問題ないと思われるが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です