ことの始まり
楽天(MNO)のサービスに関しては以前から興味はあった。
だが楽天の回線に対応する端末を所有しておらず、特に車検前という時期もあり、状況次第で修理となった場合にどれだけの費用がかかるか分からなかったため、対応端末を購入してまで試用目的でサービスに契約するのはさすがに躊躇する状況であったものの。
いつも通りWebのニュースを見ていると、こんな記事が目に飛び込んできた。
楽天モバイル、「実質0円」のモバイルWi-Fiルーター発売 – ITmedia NEWS
端末代金は1円、アンケート回答で実質無料(1ポイント付与)となり、契約に関わる手数料は無料。
利用料金は月2,980円で申し込みから1年間無料、その間に解約した場合でも違約金は不要。
楽天のエリア外であっても国内ローミングで5GBまで通信が出来る。
つまり端末を用意しなくても楽天のサービスを試すことができ、もし使えないと判断した場合に解約しても違約金や手数料、端末代金の残債を支払う必要は無い。
しかも1年間無料であればその間に現在契約しているWiMAXの契約期間も満了に近づき、仮に契約期間中に解約しても9,500円で済む。つまり満了3ヶ月前に解約しても元は取れるわけである。そう考えるとこの機会を逃すともうないと思い契約してみることにした。
注文から発送まで
在庫が少ないそうで12月8日に注文したものの、発送されたのが12月17日。到着が翌日18日の昼頃で丁度同社がWebサイトの注意事項に記述している時期通り(12月下旬頃)の到着となった。
残念ながら今も在庫は十分ではないようであり前述の注意事項は消されておらず、もし急ぎであれば対応端末(PA-MR05LNなど)のみを別に用意し、回線契約のみを行うか、同社が販売している前述のPA-MR05LN RWかPA-MP02LNで契約を行うほうがよいかもしれない。
仮に回線契約のみであっても現時点では契約や解約に関わる手数料は無料、利用料金1年間無料というのは変わらないようである。
商品は”Rakuten Mobile”と書かれた箱に入って届いてくる。
箱の蓋を開けたところ、おそらくSIMカードが入っているであろう袋と箱が見える。
商品が入っている箱、本体は別として箱はかなりの高級感がある。
SIMカードと同梱されている書類、スタートガイド(下中央)にSIMカードの大きさについての注意事項(下右)、同社の光回線の案内(下左)、携帯電話下取りサービスの案内(上左)にキャリア決済の案内(上右)。
SIMカードはスタートガイドの上に乗っており、大きさは標準サイズからnano SIMまで対応出来るマルチタイプになっている。ちなみに、Rakuten WiFi Pocketでは今では珍しい標準サイズを用いる。
箱の中身、中央の本体と右の取扱説明書、左には電池と充電器、充電に用いるケーブルが本体の底に入っている。
正面、画面には現在の電波状況と日時が表示されている。ちなみに、自社網に接続しているかローミングしているかは残念ながら画面を見ただけでは分からない。
価格面から残念ながら高級感があるようには見えないし、画面上部に表示されている”Rakuten Mobile”のロゴには意味があるのだろうか。
裏面の蓋部分には楽天のキャラクターのパンダ(お買いものパンダ)が印刷されている。
蓋と電池を外したところ。
中のシールにはIMEIとMACアドレス、初期ESSIDとセキュリティキー、管理画面のID、パスワードが記述されている。
ESSIDとパスワードに関しては端末の画面からも確認可能。
管理画面、携帯電話から閲覧しても自動的に携帯電話用に切り替わるわけではないため、正直使いやすいと言えるものではない。
接続と通信速度実測
残念ながら自宅は自社回線のエリア外であるため、国内ローミングで接続される。
下り8.83Mbps、上り6Mbps。普通に使うには十分な速度と言えるのではないだろうか。
エリア内での計測結果、下り22.5Mbps、上り3.65Mbps。
自社エリアで接続出来れば概ね10Mbps前後から30Mbps程度の通信速度で接続出来るようである。
良好な条件下でWiMAXや他社キャリアを利用するのと比較して通信速度は高速であると言えないものの、現在でもこれだけの速度で通信が可能となれば今後数年間、大概のWebサービスでまず困ることは無いと思われる。
そう考えると、自宅が明確にエリア内であることが確認出来ており、かつ安定して通信が出来るようであれば無線による固定回線の代替手段(WiMAXの据え置き型ルータ、SoftBank Air)や状況によっては固定回線から乗り換えを検討しても良いのではないだろうか。
今後、それを見越して楽天からも据え置き型ルータを販売する予定があり、実際に楽天の回線に対応していることを謳っている商品も存在する。
WiMAXと比較すると用いる周波数が若干低い(2500MHz帯を用いるWiMAXに対して楽天は1700MHz帯を用いるため)ことから屋内での通信に関してはエリア内でも建物のちょっと奥に入ると通信が不安定になるWiMAXに対して、楽天はある程度安定して接続されるように感じた。
ただ、一旦国内ローミングしてしまうと移動中に自社エリア内に入った場合自動的に自社回線に接続されるかと言えばそうではないため、一度再起動して再度接続し直す必要があるのがめんどくさいところである。
国内ローミングとデータ高速モードについて
前述の通り、国内ローミング時のデータ通信量は月5GBまでと制限される。
だが、前述の計測結果のとおり通信速度は比較的速いため、調子に乗って通信しているとあっという間に契約通信量を超過してしまう。
仮に契約容量を超過しても1Mbps程度で通信出来るため、128Kbpsと使い物にならないほどの制限を行う所謂「大手キャリア」やWiMAXのハイスピードプラスエリアモードと比較して用途を限定すれば十分実用にはなる。
だが、はじめからそこまで高速な通信速度が必要ないと分かっている場面においては「データ高速モード」を無効にすることで常時1Mbpsに制限するかわりに国内ローミング時であっても月次通信量に影響を与えず通信を行うことが出来る。
もちろんそれを有効にすることで通信速度が必要となる場面においては高速で通信することが出来るようになる。
ちなみにこの制限は自社エリア内では適用されないため、仮に有効にしていても自社エリア内で使用する分には高速に通信出来る。これを応用して自社エリアで接続しているか、ローミングしているかを簡易的に判別することも出来る。
ちなみに、1Mbps程度で何が出来るかというのは以前に投稿したそれの半分程度の速度であるmineoの節約モード有効時の実使用データが参考になるのではないだろうか。